２０１５年の夏。３５度を超える記録的な酷暑が続いています。ただし、空の高いところでは徐々に季節の入れ替わりが進行して、本日８日は暦的には立秋を迎えている。この暑さのピークも、あと僅かと思うと何故かいとおしく感じられてくるから不思議である。
思い起こせば、自分の人生で非常に重要なターニングポイントとなった年が、１９９５年であった。２２年間勤務した会社を退職して、新たな職場への転職を決意したのが、その年の３月。自分は４５歳。妻は４４歳。一人娘が１８歳となり大学に入学した年でもある。そして、結婚２０周年目に当たり、より大きな節目にするために夫婦２人で初めてのハワイ旅行を計画した。ハワイ旅行は、自分の４５歳の誕生日である１１月２６日を挟んだ日程で実施したことを思い出す。
オアフ島の空港に着陸する直前に眺めた、マリンブルーのハワイの海の綺麗さが今も忘れられない。初めての海外旅行の妻が、感激して涙を浮かべていたことも懐かしい思い出になっている。その時に滞在したのが、ワイキキビーチ沿いにある『ハイアットリージェンシー』である。滞在期間中は、連日の快晴に恵まれ、本当に夢のように楽しい時間を過ごすことが出来た。
滞在３日目に、ホテルから徒歩でダイヤモンドヘッドに行く。道に迷いながらも、何とかふもとに辿り着き、２人で頂上を目指した。急階段を上り螺旋状のトンネルを抜けると、ワイキキビーチからハナウマ海岸一帯が見渡せる。汗ばんだ体にハワイの微風が気持ちよく、快晴の中でマリンブルーからコバルトブルーに変化する海の色には心を奪われる。
その瞬間であった。それまでは漠然と思っていた自分の生き様というか、最後の締めくくり方が鮮烈にイメージ出来た。ぼんやりとしていたピントが急に合ったとでも言えばいいのだろうか。ダイヤモンドヘッドの頂上で、どちらからともなく『そうだ、こんな綺麗な海にパ～と撒こう！』という言葉が出て、不思議なくらい深く納得をしてしまう。
この時のイメージが強く残り、このオリジン研究所を創業することになろうとは、この時は思いもしなかった。ただし、その後の自分の立ち位置が定まったということだけは確かである。和歌山の田舎で生まれ、幼い頃から抱いていた疑問や不安や根深い葛藤が、ハワイのオアフ島のダイヤモンドヘッドの頂上で解決したような気分になったことだけは確かである。
ダイヤモンドヘッドから下山して、部屋でシャワーを浴びる。そして、ハイアットリージェンシーのラウンジで、夕食を取りながら飲んだトロピカルドリンクの『マイタイ』の味が忘れなれない思い出になっている。
